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2019.06.11工場・倉庫の熱中症対策・暑さ対策③ 熱解析計算例<劣化した金属屋根、窓面積が広い倉庫>
⇒熱中症対策・暑さ対策⑥ アルミ遮熱シート長期効果検証その1
⇒熱中症対策・暑さ対策⑦ アルミ遮熱シート長期効果検証その2
⇒熱中症対策・暑さ対策⑪ 比較実験(遮熱塗料とアルミ遮熱シート)
工場・倉庫における熱中症対策は、管理者にとって非常に悩ましいこととなっております。
空調機を設置すれば、屋内を冷やすことは可能です。
しかし、最近の猛暑においては、熱源自体を遮断することをしなければ、
空調機がフル稼働となり、故障に繋がるとともに、初期費用に加え、運用費用が膨大にかかってしまいます。
設備側の熱中症対策手順として、以下の優先順位で対応すべきと考えます。
①熱源の把握(リスト化および熱解析)
②熱源の遮断・遮熱
③空調機、除湿機の設置
①の熱源の把握のための熱解析については、
前回の内容に、計算手順などを示しました。
ここでは、2つの計算例について示すとともに、その対策案についても言及します。
(1)金属屋根における経年劣化の影響
金属屋根において、屋根表面の酸化、汚れなどの経年劣化により、
日射吸収率が高くなったことを想定しました。
以下に、計算モデルを示します。
以下に、計算結果を示します。
以上の結果から、金属屋根において経年劣化で日射吸収率が高くなった場合、
全熱量に対する屋根からの侵入熱量が高くなることがわかります。
経年劣化により熱侵入が増加した場合、屋根侵入熱量を低減するため、
高反射率塗料を塗布する、あるいはアルミ遮熱シートを施工することが有効であると考えます。
(2)外壁における窓比率の影響
外壁における窓比率の影響を調べるため、以下のモデルにて計算を行いました。
以下に、計算結果を示します。
以上から、窓比率が高くなるほど、窓からの侵入熱量は多い結果となりました。
時刻14時では、西面への日射量が増加することから、窓侵入熱量はより一層多くなりました。
工場・倉庫の広さ、材質種類により、全熱量に対する窓侵入熱量比率は変化いたしますが、
上記のように、モデル化し熱解析を行うことによって、対策の優先順位を決めることができます。
以下に、窓に対する熱対策として、3種類の対策を想定し、計算を行いました。
以上の結果から、
窓の透明度を維持するのであれば、複層ガラス、遮熱フィルムは効果的であり、
窓の透明度を無視するのであれば、アルミ遮熱シートで窓を塞いでしまうことが、より効果的であることがわかります。
室内に必要な明るさ、照明の種類、予算にもよりますが、対策を熱解析で検討することにより
熱中症対策の方向性を検討することができます。
まとめ
今回は、(1)金属屋根における経年劣化の影響、(2)外壁における窓比率の影響について、計算を行いました。
いずれのケースにおいても、モデル、材質によって、結果は大きく異なる可能性はあります。
今回の結果を鵜呑みにするのではなく、各々の工場・倉庫においてモデル化を行い、
熱解析によって熱源を特定し、賢く対策を行うことが必要と考えます。
詳しい解説、実際の施工結果は、以下の動画、リンクもご参照ください。
⇒熱中症対策・暑さ対策⑥ アルミ遮熱シート長期効果検証その1
⇒熱中症対策・暑さ対策⑦ アルミ遮熱シート長期効果検証その2
⇒熱中症対策・暑さ対策⑪ 比較実験(遮熱塗料とアルミ遮熱シート)
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関口(eyebec236@eyebec.co.jp)